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水晶体
袋(水晶体嚢; すいしょうたいのう)に入っている弾力性の高い透明な機関です。外界側の袋を前嚢、内側を後嚢といいます。主成分は、Type-IV collagen (参考4)です。
水晶体を構成する物質は、水晶体上皮細胞 (lens epithelial cell: LEC)と、上皮細胞由来の繊維細胞およびそのクリスタリンという蛋白質です。前嚢側を前極、後嚢側を後極という。
前極には、LECが一層で覆っています。水晶体の円の縁は赤道部といいます。上皮細胞は赤道部まで来ており、赤道部では、幹細胞としての働きをしています。足りなくなった繊維細胞を補充する役割です。
繊維細胞への分化は、前極と後極に向かって細長く伸びながら、中央の核に向かっていきます。中央に向かいながら、オルガネラである、細胞核、ミトコンドリア、ゴルジ体などの小器官が減少・消失し、透明性の高い繊維細胞となります(参考4が参照する文献1)。
クリスタリン濃度は、水晶体の中央部が最も高くなっており、高屈折率を持っています。
[スペキュレーション/推察] 幹細胞として上皮細胞が、水晶体嚢に一生留まっているということは、おそらく、歳を重ねていけば、水晶体での細胞密度は高くなると考えられます。それが、老眼につながるものと思われます(これ以上のとは、また調査して言及します)。
規則正しい結晶構造を維持できるのは、核がない線維芽細胞とクリスタリンが規則正しく並んでいるためで、透明性を維持できる源です。
この構造が壊れると濁りが生じ、白内障と呼ばる状態・症状になります。また、その構造が壊れる原因には、クリスタリン蛋白質の部分的切断、酸化、リン酸化、ラセミ化、アミノ酸の異性化などが報告されています。更にその原因についても、ラノステロールシンターゼ(LSS)遺伝子の変異にあるなど、ラノステロールが混濁した水晶体を透明化に戻すという報告が学術雑誌Natureにてあり、治療薬しての期待が高まっています。
後発性白内障
通常、白内障治療では、人工レンズを入れてから、数年後に生じる水晶体嚢(後嚢)の濁りが生じることは少なくないが、これを「後発性白内障」という。LECが僅かでも残っていれば、水晶体嚢や人工レンズ上で増殖・重層化する事が原因である(参考5)。
参考文献
参考1
参考1 : 公益社団法人 日本白内障屈折矯正手術学会 (JSCRS)
http://www.jscrs.org/index/page/id/76
「白内障手術について」より
参考2
参考2 : 放射線白内障(水晶体混濁)より
https://www.rerf.or.jp/programs/roadmap/health_effects/early/cataract/
水晶体の幹細胞について記載あり。
参考3
参考 3 :「水晶体内のDNAが残ると白内障を引き起こすことが明らかに」(H15)
https://www.jst.go.jp/pr/report/report350/
水晶体を構成する繊維細胞にDNAが存在しない理由として、その分解酵素とかんがえられたCAD, DNase IIの発現はみられず、DLADという分解酵素が確認され、このノックアウト・マウスの水晶体は白内障を呈した。https://www.jst.go.jp/pr/report/report350/zu2.html
参考4
参考 4 : X 線位相差 CT による水晶体タンパク濃度可視化:糖尿病性白内障モデルマウスにおける変化と Na-Ca 交換体強発現による白内障防止効果の検討 (2008)
水晶体構造についての説明があり、水晶体中央部でクリスタリン濃度が高い事について言及があります。
http://www.spring8.or.jp/pdf/ja/MBTU/H20/11.pdf
参考5
参考 5 : 水晶体上皮における増殖領域と 組織幹細胞の同定 ―新しい固定液を用いた良好な 組織切片による解析― (2009)
http://microscopy.or.jp/jsm/wp-content/uploads/publication/kenbikyo/44_4/pdf/44-4-286.pdf
参考6
参考 6 : 紫外線の増加がヒトの健康に及ぼす影響に関する研究 – 紫外線照射による白内障発症機序の解明に関する実験的研究 (H5)
http://www.spring8.or.jp/pdf/ja/MBTU/H20/11.pdf
参考7 ラノステロール
ラノステロールで水晶体を透明化できるか — 白内障学会 (2019)
https://www.jstage.jst.go.jp/pub/pdfpreview/cataract/31/1_31_11-002.jpg
参考8
水晶体混濁を透明化させる制御機構と治療戦略の解明 — KAKEN より
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11470/
モデル・ラットによるLSSの遺伝子変異に続いて起こる、遺伝子発現量の低下に関する研究(Major intrinsic protein of lens fiber (MIP, Aquaporin0), deoxyribonuclease II beta (Dnase2b), heat shock protein B1 (Hspb1) , crystallin,γ D), 2017-2020
参考9
参考 : 「白内障の原因を解きほぐすラノステロール 」Nature ダイジェストより
https://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v12/n10/%E7%99%BD%E5%86%85%E9%9A%9C%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%82%92%E8%A7%A3%E3%81%8D%E3%81%BB%E3%81%90%E3%81%99%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB/68020
一部の家系では、水晶体に存在するラノステロールを合成するラノステロールシンターゼ(LLS)の遺伝子に変異があり、機能性のラノステロールが少ないことで、アミロイド様の繊維状に変化したクリスタリンをほぐせないことが、白内障の原因の一つである
参考10 光の輪
参考 : 【質問】 夜間に見える虹の輪 (2009) — 徳島県医師会
https://www.tokushima.med.or.jp/kenmin/doctorcolumn/hc/848-114
人工レンズは、元のレンズ(水晶体)より、より多くの光を通すこと、直径が小さいこと、などが原因で夜には光のワッカが見える、と記載されている。視力を失った開眼手術からQOL向上へと役割がかわってきていおり、年間60万件が人工レンズによる白内障手術が行われるようになった(1999原典より転載)、とのこと。現在は2020年であり、10年前の記述で更に原典はその更に10年前であるため、その正確性は検証の余地があると思われるものの、概ね間違いないと思われる。
参考11
参考 : 「水晶体被曝の実態)調査計画より
https://www.musashino.jrc.or.jp/clinical/_documents/17337_h2902.pdf
水晶体内には、マクロファージなどの貪食細胞が存在しないため、損傷をうけた部位のクリアラスんがない。核がある上皮細胞が放射線被曝により損傷を受けることで、白内障が誘発されるため、医師・技師の被曝実態を調査するとしている(2017)
参考12
金沢医科大学 眼科学講座より
http://www.kanazawa-med.ac.jp/~ophthal/?page_id=54
後発性白内障と水晶体上皮細胞のトロポミオシンとの関連性、miRNAなどの研究 (2013)
参考13
白内障の手術に関する、よくある質問 – 森井眼科医院 – より
人工レンズの寿命 (100年)、術後の点眼期間 (1.5~3ヶ月)
https://morii-ganka.jp/operate/cataract/cataract05.html


